LOUNGE
談話室

高倉 勇  ガン よもやま話

ちょうど3年前恒例のドックで、ガンが見つかった。

1、告知
癌の告知ってもっと重みのあるものと思っていた。 エコーで腹部にリンパ腫が見つかり精密検査を受け、結果は
“ああこれは悪性リンパ腫だよ”
‘先生、それって癌でしょう’
“そうだよ”
とでかい声でやり取りし、終わった。
リンパ腫という名前が悪かった。10歳下の末弟が大腸がんの手遅れから、最後はリンパに転移して、54歳で10年前に亡くなった。この場合のリンパと悪性リンパ腫のリンパとは関係ないものだが、当時は私は知らなかった。リンパ癌と聞いただけで=死であった。そう死の宣告だと思った。正直ガーんと頭を殴られた感じであった。医者は他人事だと思って、あっけらかんと悪性リンパ腫だと言いやがったと。

おれはやることはやってきたし、いつ死んでもいいよとほざいてきた俺が、瞬間死んでたまるかと思った。いや生きたいと思った。人間っていい加減なものでした。いや私っていい加減でした。

2、一応闘病
2種類の抗がん剤治療を受けたが、治らず(リンパ腫は普通これで80%は治ると言われているが、アンラッキー! またこの薬での平均余命は3年とネットに出ていた。ということは今年死ぬということか)。
次いで、放射線で叩くと言われたが、これはセカンドオピニオンを活用して、逃れた。(癌経験者の忠告(まずは自分なりに本を読み勉強しろ)から、10数冊読んだが、私なりの結論は癌はまだまだ正解のない病気で(医者によっていうことが全く異なる)、抗がん剤・放射線(従来型の)は間違いなく副作用はあるが治る確率は低い=できるだけ避けるべし、と私は結論付けているから。
但し血液のがん(白血病・悪性リンパ腫等)には抗がん剤治療しかなく、また結構有効だということも理解した。それで医者の言うことを丸のみせず、かなり自分の意思(間違っているかもしれぬが、自分の命)に沿った治療を受けてきた。基本はもう73歳にもなり、ベッドに縛られて、生き延びるより、今の生活の質QOLを大事にしようというものです。
ガンとは仲良くしようと。カッコつければ共生しようと。お蔭で今ではだれも俺が病人だとは認めてくれないが。

3、お次は胃がん
6月末に恒例のドックに入り、胃カメラをやった結果、胃がんが発見された。早期発見だから、内視鏡摘出手術でOKだろうとのこと。
慣れたのかガンだと言われても全く驚かない自分が居りました。アー之は簡単だよと。

4、ガンの恐怖
今は日本人の二人に一人はガンに罹るということです。従いガンに罹ったと言っても驚くに値しませんが、ガンはやはりガンです。まだ正解の治療法も確立していないし、完治率は低いし、死に至るケースが大部分です。
共生などと笑いながらもガンでいずれは死ぬのだなあとは思っている。この影は陰に陽に意識の中に常にある。うっとうしいものです。

でも罹ってしまったものは仕方がない。ゴルフも男声合唱もしっかり楽しんでやろうじゃないか。とこう思って、人生悪くないなと思っている。(空威張りかな?)